証券取引所とは? 種類や取引時間などについて

企業の株式を所有している株主はいつでも、その株式を売ってお金に換えることができます。
ただ、個人がそれぞれ売買をすることは難しいため、取引がしやすいように株式を買いたい人や売りたい人を集めた場所が「株式市場」であり、売買の仲介をするのが「証券取引所」です。
証券取引所について
日本には全国に株式会社が約170万社ありますが、そのすべての会社の株式が証券取引所で売買されているわけではなく、証券取引所で売買される株式は上場会社の株式だけです。東京証券取引所では現在約3,600社が上場しています。
1.取引のルール
証券取引所については、株式の売買のほとんどがコンピュータを使って行われています。
また、取引のルールはオークション形式になっており、価格優先と時間優先の2つの原則があります。
(ア) 価格優先の原則:買い注文では最も高い値段の注文が優先され、売り注文では最も安い値段の注文が優先されます。
(イ) 時間優先の原則:同じ値段の注文の場合は、受付時間の早い注文が遅い注文より優先されます。
2.証券取引所の役割
証券取引所の役割には以下などがあります。
(ア) マーケットの監視
証券会社からの注文に不自然な点や異常な点が無いかなど、日々、リアルタイムで監視を行っています。仮に、証券会社から間違った注文が発注された場合は、注文の確認をしたり、売買を停止したりすることもあります。
(イ)取引のチェック
売買がルールに則って適正に行われているかどうかをチェックします。故意に株価を変動させる行為(相場操縦取引)や、一般投資家に発表されていない情報を利用した株式の売買行為(インサイダー取引)などが行われていないかを調査・分析しています。

(ウ)上場の審査
証券取引所では上場を希望する企業に対する、上場の審査を行います。企業の成長性や経営の安定性、また株主に対する正確且つ速やかな情報開示システムの有無、などを審査します。審査に通った企業の株式が上場され、証券取引所で売買を行うことができます。
(エ)証券会社のチェック
証券会社は資格を得て証券取引所で取引をしています。その証券会社がルールを遵守しているか、また証券会社自身が安定的な運営をしているかなどを定期的にチェックしています。一般投資家は証券会社を通じて証券取引所で売買を行うため、証券会社の安全性のチェックは必須です。
(オ)株式とお金の正確な決済
1日に約5~6億株の売買が行われており、その売買の決済が確実に行われる仕組みを提供し、売買の信用性を保証しています。
証券取引所の種類

日本の証券取引所については、「東京証券取引所」、「名古屋証券取引所」、「札幌証券取引所」、「福岡証券取引所」の4つの取引所があります。ただ、2013年に東京証券取引所と国内2位だった大阪証券取引所が合併したため(現在は大阪取引所)、現在の株式取引の9割以上が東京証券取引所の銘柄になっています。
1.東京証券取引所の取引市場
東京証券取引所においては、証券取引所の種類とは別に以下の市場があります。
・東証一部
・東証二部
・マザーズ
・ジャスダック
東証一部と東証二部の主な違いは「企業が市場に上場するための審査基準」であり、東証一部の方の審査基準が以下などのように厳しくなっています。
・株主数:一部2,200人以上、二部800人以上
・流通株式数:一部20,000単位以上、二部4,000単位以上
・流通株式数比率:一部35%以上、二部30%以上
・時価総額:一部250億円以上、二部:20億円以上
つまり、東証一部に上場するためには200万株以上、東証二部に上場するためには40万株以上を投資家に購入してもらう必要があります。なお、東証二部から東証一部へ替わる企業も多くあります。
(ア)マザーズ
マザーズは主に新興企業が上場しており、東証一部への昇格を視野に入れた成長企業向けの株式市場です。
従って、上場審査基準は東証一部・二部ほど厳しくはありません。
・株主数:200人以上
・流通株式数:2,000単位以上
・流通株式数比率:25%以上
・時価総額:10億円以上
・事業継続年数:1年以上
(イ)ジャスダック
ジャスダックは50年以上もの歴史を持っています。
ジャスダックもベンチャー企業が上場する市場ですが、ジャスダックは「スタンダード」と「グロース」という市場に分かれています。
・スタンダード:一定の事業規模と実績を有する成長企業
・グロース:将来の成長可能性に富んだ企業
スタンダードとグロースの上場審査基準は以下になります。
なお、スタンダードの方がグロースより、審査が厳しくなっています。
・株主数:共に200人以上
・流通株式時価総額:共に5億円以上
・純資産額:スタンダード2億円以上、グロース赤字ではない
・企業の存続性、成長性:
スタンダードは事業活動存続に支障をきたす状況でない
グロースは成長可能性を有する
・企業統治、内部管理体制:
スタンダードは企業規模に応じて確立、有効に機能している
グロースは成長の段階に応じて確立している
2.名古屋証券取引所
名古屋証券取引所の株式市場は次の3つです。
・名証一部
・名証二部
・セントレックス
名証一部・二部は一定の実績を有した企業が対象の市場であり、セントレックスは主に、成長が期待される企業を対象としています。なお、東京証券取引所の銘柄はほぼ全ての証券会社で取り扱われていますが、名古屋証券取引所の銘柄に関しては取り扱っていない証券会社があります。
3.札幌証券取引所
札幌証券取引所の市場は次の通りです。
・本則市場
・アンビシャス
アンビシャスの上場対象企業は「北海道に関連のある企業」です。
4.福岡証券取引所
福岡証券取引所の市場区分は以下の2つです。
・本則市場
・Q-Board
Q-Boardの上場対象企業は「九州周辺に本店を有する企業」、または「九州周辺における事業実績・計画を有する企業」です。
証券取引所 取引時間
株式の取引をできるのは、証券取引所 取引時間内に限られます。そのため、『日中は仕事をしているから取引ができない』と思っている人が少なくありませんが、ネット証券を使えば取引時間外でも「ほぼ24時間」注文することができます。

1.取引可能時間
株式の取引のできる時間は、証券取引所によって異なります。
・東京証券取引所:前場:午前9:00~11:30、後場:午後12:30~15:00
・名古屋、福岡、札幌証券取引所:前場:午前9:00~11:30、後場:午後12:30~15:30
実際の株式取引はほとんどが東証で取引されているため「前場は9時から11時半、後場は12時半から15時」と覚えておいて問題ありません。
2.休日の取引
証券取引所の開いている日はほぼカレンダー通りです。土・日・祝日と年末年始に休みがあるだけで、お盆休みはありません。年末年始の休みも少なく、基本的に年始は1月4日から、年末は12月30日まで取引が行われます。
3.取引時間外での注文
ネット証券ならシステムメンテナンス中を除いて、ほぼ24時間、注文を出すことができます。
なお、証券取引所 取引時間内の注文はリアルタイムで処理されますが、取引時間外に注文した分は翌営業日の注文として処理されます。
4.私設取引システム(PTS)の利用で夜間の取引も可能
実は、取引時間外でも「取引」のできる取引所があります。
私設取引システム(PTS)と呼ばれるものであり、証券取引所という公式の売買の場ではなく、証券会社が独自に運営する株式の取引所のことです。
PTS取引はあくまでも私的な取引所であるため、自由に取引時間が設定されており、夜間でも注文できることから「夜間取引」とも呼ばれています。ただ、夜間に限定されているわけではなく、日中でも取引ができます。SBI証券のPTS取引時間は8:20~16:00デイタイムセッションと、17:00~23:59のナイトタイムセッションになっています。
PTS取引のメリットとして、証券取引所の取引時間外でも株式の売買ができることや、取引時間外のニュースを得た時点で即座に取引できる、というメリットはありますが、PTSを行っている証券会社はSBI証券のみのため、売買の成立する可能性は低いと言わざるを得ません。
証券取引所での売買
株式の売買は株式を発行している企業と直接取引をするのではなく、証券会社を通して証券取引所で行います。株式の取引は日中に行われますが、ネット証券の普及で注文はいつでもできるようになりました。
なお、株式取引は情報が命のため、できるだけ最新の情報を基に取引をするのが基本です。
ちなみに、現在は東京証券取引所の取引がすべてと言えるため、証券取引所の種類は考える必要がありません。
株 初心者講座2018.08.22
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